DCと高周波テストを同時に可能にするマトリクステストヘッド

DCテストをするDCパラメトリック装置、基本はSMU(Source Measure Unit)とCV等の測定器がセットになってそう呼ばれている。つまりCVやIVを測定する為のシステムだ。DCパラと呼ばれるこの「DC」には意味がある。それは高周波(各社によって定義は違うが一般的に10MHz以上としておく)の測定がDCパラについているマトリクスでは出来ない。ではDCパラメトリックを利用している技術グループはそれ以上のマトリクスを必要としていないのか?否。そんなマトリクスがないというのが現状である。そこでこのGTS社製、Genusマトリクスの登場となる。
2008年11月

 

まず、製品の見た目(写真)から説明をしよう。見たそのまま、と言う感じではあるが、スイッチマトリクスのボードである。但し、このGenusマトリクスボードは通常のマトリクスと違う点が3つある。
■高周波(最大3GHz)の入力・出力端子がボード上にあり、更にDCの入力端子が沢山ある
  (DCパラのシステムから24本とか48本とかで出力されたケーブルらを、そのまま入力できる)
■プローブカードを直接つける、所謂【テストヘッドタイプ】のレイアウトになっている
■USBにてこのボード(リレーマトリクス)をコントロールできる
下にある実際の配線図でもう少し説明をしてみよう。

 

一番安価なGenusマトリクスボード(500MHz対応ボード。オプションで最大3GHzまで可能)の配線をまずは見てみる。左にあるマトリクスは通常DCパラに付いていたりするマトリクスでIVやCVを切り替えて測定をする際に使うDCマトリクス(ここでは区別をする為にDCマトリクスと呼ぶことにする)である。通常このDCマトリクスはラックなどに搭載されており、長いケーブルが高周波を出来なくする一つの要因であったりもする。そこで、ウェハー(DUT)の直近で測定が出来ない物か?という事で、このGenusマトリクスの出番だ。右の水色ボードがGenusにあたり、DCマトリクスからのケーブルがすべてそこに入っている。そして高周波に使う入出力ポートがボード上にある。青い丸はプローブカードだ。これでイメージが分かったと思う。縦のマトリクス線を右側にもう一つ追加したと言うのがポイントになる。これが簡単そうで難しく、また、どのメーカもボード単位での販売はなかったのが事実。

 

では実際にどういう装置をつなぐのか、写真で見てみよう。
ちょっと分かりにくいが、今までのシステムと言うのは左上にあるDCマトリクス⇒ケーブル⇒一番上のプローブカード という接続で10MHzまでの測定をしていた。もちろんこっちにもAdvantageはある。とても低い電流(fAレベル)が測定できる点である。しかし、高周波の測定は出来ない。

そこで、Genusマトリクスの登場である。DCマトリクスからのケーブル全てをまとめて、GTS Matrix(Genus)へ入れると同時に高周波用パルスジェネレータやオシロスコープ等を接続している。そして500MHz〜最大3GHzまでいけるボードに攻守は対応プローブカードをつけてDCとRFを同時に測定すると言う物である。

入出力の端子の数やRFの周波数、そしてかかる電圧・電流(特にESDテスト等を同時にやる場合)はアプリケーションによって大きく変化するので、カードは受注生産としている。ぜひまずは「こんなのが出来るか?」という事を問い合わせてほしい。

 

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