-L負荷試験の測定項目とその定義-

L負荷試験とひとことで言っても、測定結果として出力されるパラメータはかなり多い。特にお客様とお話しているときに注意しなくてはいけないのが、測定の概念に相違がないか?ということである。
今回はMOSFETのL負荷試験における基本的な測定回路と測定波形を交えつつ、L負荷測定の基本的な出力パラメータとその測定概念について考察してみようと思う。
2008年8月

 

アバランシェ試験

■Vava:アバランシェ電圧
アバランシェを起こしたときのD-S間(C-E間)の電圧

■Iava:アバランシェ電流
アバランシェを起こしたときのD-S間(C-E間)に流れる電流

■EAS(Eava):単発アバランシェエネルギー
単発アバランシェの波形からエネルギーを算出する。
上記VavaとIavaの積分値

■EAR:連発アバランシェエネルギー
連発アバランシェの波形からエネルギーを算出する。
EASの合計。

アバランシェ波形
Lsw波形  

Lスイッチング試験

■Tr:上昇時間
ターンオン時にドレイン電流が10%から90%まで上昇するまでの時間
■Tdon:ターンオン時間
ターンオン時にゲート電圧が10%まで上昇した時点からドレイン電流が10%まで上昇するまでの時間

■Tcon:ターンオン時間
ターンオン時にドレイン-ソース間電圧が90%まで下降してからドレイン電流が90%まで上昇するまでの時間

■Tf:下降時間
ターンオフ時にドレイン電流が90%から10%まで下降するまでの時間

■Tdoff:ターンオフ時間
ターンオフ時にゲート電圧が90%下降してからドレイン電流が90%まで下降するまでの時間

■Tcoff:ターンオフ時間
ターンオフ時にドレイン電流が10%まで下降してからドレーン-ソース間電圧が10%まで上昇するまでの時間

測定回路

■一般的なL負荷測定回路

ハイスピードスイッチが搭載されたFAT Probeの測定回路

プローブ
■寄生成分のバラつきを抑えたプローブ


FATProbシステムでは上記のような試験をウエハレベルで高電圧/高電流測定が可能である。
特にスイッチング特性を試験する場合は寄生成分のバラつきは命取りである。テスタ、測定回路、プローブなどに十分な配慮が必要だ。次回は寄生成分が測定波形に与える影響について考察してみよう。

   
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