まず、半導体における信頼性試験とは
大まかに分けると、下記3項目です。
設計、製造したデバイスが、、、
●性能を十分に発揮しているか?
●目標とする品質に達しているか?
●品質を維持しているか?
LSIの高集積化が進むにつれて、LSI内部の素子の評価を行うことは非常に艱難になりつつあります。
そこで、信頼性試験の代表的な手法としてTEGを利用した評価試験があります。
信頼性試験をウエハーレベルで行うことで、パッケージ化する必要が無い為、大幅な評価時間短縮が見込めます。また、ウエハー面内のバラつきを評価する事も可能となります。
こうした要望から生まれてきたのが、信頼性試験を「ウエハーレベル」で「多サイト同時」に行うことのできる、弊社製品「MSR(Multi-Site-Reliability)」です。 |
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そもそも信頼性試験をウエハーレベルで行うことは、そう難しいことではありません。
問題は「多サイト同時に」試験を行うことです。
なぜなら温度印加によりプローブ針が伸びてしまいます。さらに厄介なのがプローブカード自体に「反り」が発生してしまう事です。
左図をご覧ください。
プローブカードの「そり」により、ピンが放射状にズレてしまう様子がよくわかると思います。
これではパッドに対して正確にピンを当てる事が出来ないばかりでなく、プローブカード自体を破損しかねません。
(プローブカードって高いですもんね、、、)
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「MSR」ではCeladon社と共同開発した信頼性用マルチサイト型プローブカードを採用しております。
ポイントは「常温でも高温でも」正確にコンタクトさせることです。
通常のプローブカードではガラスエポキシやポリイミドを使用する事が多いですが、耐熱性の点で問題があります。
そこで、マルチサイト型プローブカードでは、シリコンウエハーと熱膨張率の近い特殊なセラミックを使用する事により、この問題を解決しております。またプローブカードを、ある特殊な構造にする事により、「反り」を極限まで減らすことにも成功しました。
右図をご覧いただければ、150℃の温度印加中でも正確にコンタクトできていることがお分かりいただけると思います。
(右図のPadサイズは100μm角です)
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上記以外でもマルチサイトテストにおける問題は複数あります。
●測定スピードは?
●NBTIでのデバイスリラクゼーションの問題は?
●その他、、、
次回はこの問題について考察してみたいと思います。 |
■おまけ用語集のコーナー
TDDB・・・経時的絶縁膜破壊(Time Dependent Dielectric Breakdownの略)
酸化膜に電圧を継続的に印加すると、時間とともに酸化膜の破壊の割合が増加する現象のこと。
NBTI・・・(Negative Bias Temperature Instabilityの略)
pMOSトランジスタをオン状態にした際に,絶縁膜自身及び絶縁膜とシリコン基板の界面が劣化しトランジスタのしきい値電圧が負側にずれてしまう現象のこと。
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