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PATより進んだアウトライア検出ソフトウェア

前回「PATでは不十分だったアウトライア検出」でご紹介したPATでの問題点として、「正規分布以外のテスト分布に対応できない。」「ウエハのテストデータのばらつきが考慮されていない。」 その結果正確なアウトライア検出を行うことができずに、良いデバイス、悪いデバイスの区別が明確にできない。 という点を上げました。今日はこのPATの欠点を改良しより効果的なアウトライア検出を実現したStreetwise™のパラメトリックアウトライア解析についてご説明したいと思います。

2008年5月

 

様々なテスト分布形状

■アルゴリズムの自動選択
Streetwise™の機能の一つにアルゴリズムの自動選択というものがあります。ダイソートのテスト分布を見ると、左図のようにその分布形状は正規分布もあればログノーマルや二山分布等様々な分布形状がありますが、Streetwise™は自動的にこれらのテスト分布形状を判別し、それぞれの分布形状に適したアウトライア解析アルゴリズムを適用させてアウトライアを検出します。
そもそも、正規分布であれば6シグマの計算から算出したリミットでも対応することはできますが、ログノーマル等の偏った分布形状では正常なデバイスをアウトライア判定してしまったり、逆に異常なアウトライアにもかかわらず6シグマ範囲に収まってしまい、アウトライア判定されないという問題が発生します。しかし、分布形状を認識しその形状に適したアルゴリズムを適用させることによって、より正確なアウトライア検出が可能になります。
しかもすべてのテスト結果に対して全自動で行うことにより生産ラインでの適用を可能とさせました。

   



■テストリミットアジャストメント

さらに、テストリミットに対して各ウエハのテスト結果にはばらつきがあります。規格上限に近い位置に分布するウエハもあれば、規格下限、または中央に位置する分布もあればとその結果は様々です。
Streetwise™は通常のテストのテストリミットと、テスト結果の分布の位置関係を自動的に判別してテストリミットに近い位置にある分布や、遠い位置にある分布に対するコントロールリミット(Streetwise™の定めたあらたな規格値)を調整します。これにより、無駄なオーバーキルを回避したり、テストリミットに近い位置にある危険なアウトライアの検出を可能とします。

テストリミットアジャストメント
   
ジオグラフィックアウトライア

■アウトライアの重み付け
さらにStreetwise™ではコントロールリミット(Streetwise™の定める規格値)をSmall、Medium、Largeの三段階で分類分けすることにより、検出したアウトライアをその危険度で分類します。
つまり、一つのデバイスから複数のテストでLarge判定が検出された場合は“非常に危険なデバイス”として即不良デバイス判定をしたり、Medium判定が二つだけ検出されたデバイスは“怪しいが再テストをしてOKであれば出荷するデバイス”
等、ユーザーによって検出されたアウトライアのGO、NOGO判定を自由に行うことが可能になります。
この機能は非常に重要で、従来のPATでは品質を気にするあまり、オーバーキルをしてしまい歩留率の低下が激しい。という問題もありましたが、このアウトライアの分類機能が加わることによって、歩留率の低下を極力抑えながら、本当に危険なデバイスだけを検出することが可能になります。

   

つまりStreetwise™のパラメトリック解析をまとめると

■データの分布形状を自動認識し、その分布に適したアルゴリズムを自動的に適用する。
■データ分布とテストリミットの位置関係を自動認識し、コントロールリミットを調整する。
■コントロールリミットをSmall、Medium、Largeに分類し、アウトライアの分類を行う。

これらを全て自動的に行うことにより、
高歩留り、高品質を実現することが可能となります。
さらにStreetwise™には空間的にアウトライアを検出するジオグラフィック解析機能も搭載されており、総合的なアウトライア検出を行うことが可能です。
今日はStreetwise™のパラメトリック解析を中心にご説明してきましたが、次回はStreetwise™のジオグラフィック解析についてご紹介したいと思います。

 
 
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