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ナノプロービング時のコンタミ問題を軽減


集積回路の高集積化、微細化などが進み、SEM/FIBを用いたナノプロービング解析では高倍率観察が行われるようになってきているが、どうしてもスキャンによるコンタミネーションの影響が避けられない。
高倍率で長時間観察すればするほど、サンプルやプローブへコンタミが付着してしまい、解析不能!といった問題が発生します。今日はこのコンタミ付着問題を解決する。Zyvexのアンチ・コンタミネーション・システムについてご紹介します。

2008年7月

 

なぜアンチ・コンタミネーション・システムが必要なんだろう?

なぜアンチコンタミネーションが必要になるのでしょうか?
まずはコンタミが付着してしまうメカニズムについてざっくりと説明します。

1. 基本的に、大気中に存在している炭化水素(Hydrocarbon)がSEM/FIBチェンバ内に存在します。
2. 試料に高エネルギー電子ビームが照射されると、試料表面のH-Cの結合が切断され、
3. 水素HはH2として排気されるが、炭素Cはそのまま試料表面に付着してしまいます。
4. 電子ビームにさらされた(SEM観察を行っている)領域だけ炭素が堆積し、ダイヤモンドのような硬化層を形成します。
5. このコンタミがサンプルへのコンタクトを邪魔して電気プロービング不能!

といった感じで測定自身が困難な状況になってしまいます。

   

アンチ・コンタミネーション・システムのメカニズム

アンチ・コンタミネーション・システムは、大気中の酸素を用いてオゾン(O3)のプラズマ生成し、それをSEM/FIBのチャンバ内へ放出、コンタミの原因となる炭化水素(HC)と化学反応を起こさせることによって、水素(H2)と二酸化炭素(CO2)に分解して排気してしまいます。
これによって、チャンバ内がクリーンに保たれて、電子ビームを照射した際のコンタミ付着を防止します。

 

 
アンチ・コンタミネーション・システムの効果

図はアンチ・コンタミネーション・システムを使用しなかった場合(左側)と、アンチ・コンタミネーション・システムを使用して10分間クリーニングした場合(右側)を比較したSEM像なのですが、クリーニングしていないもの(左側)は、資料表面に黒くコンタミが付着しています。
これほどまでにコンタミが付着してしまうと、電気測定を行うことはできなくなってしまいます。

   

このアンチ・コンタミネーション・システムは、空気中の酸素を利用してプラズマを発生させているため、アルゴンガスを使用する方法とは異なりSEM/FIBに悪影響を与える心配はありません。
測定をスムーズに、そして確実に行うためにはなくてはならないシステムといえるでしょう。
今までご紹介してきたZyvexのナノプロービングシステムsProber, dProber, nProberには、このアンチ・コンタミネーション・システムが標準装備されており、どの装置でもクリーンな環境で効率良く電気測定を行うことが可能です。

   
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